みんみんのブログ

スローに生きよう

『ほしいものが、ほしいわ』


『ほしいものが、ほしいわ』は糸井重里さんによる約30年前の西武百貨店の名作コピーでした。この名コピーは、人間の欲望の本質をとてもよく表していると思いました。

高度成長期には、みんなが「欲しいもの」を持っていました。
クルマとかカラーテレビといった共通のモノや豊かさのシンボルを手に入れようとして、欲望にカタチがあった時代でした。
消費が幸せにつながった時代だったと言えるでしょう。

でも、社会が成熟し、衣食住と物質的に満たされてしまった今、いますぐ切実に欲しいものは何かと聞かれると、特に「嫌消費」世代と言われている今の若い人は何て答えるでしょう。

写真引用:http://love-gives-life.hatenablog.com/entry/2015/…/06/201119

追伸:
物があったり、家ができて整ってくると、人間というのは
きっとふっと心の方に気持ちが行くのだと思います。
みんな食べることで精一杯の時代は欲望は限りなく欲求に近いものになりますが、ある意味とても単純明快でした。衣食住足りるようになってくると、人々のこころも精神分析的な充足を求めるようになってくると思います。

追伸2:
たとえば中高年を中心に盛り上がっている「ロハス」とか「スローライフ」も引き算文化です。あれもこれも貪欲に頑張る人生を降りて、環境に配慮しつつ、地域に根ざした身の丈にあった生活を楽しみましょうというものですが,さんざん足し算文化をしてくたびれきった勝ち組の皆さんだけが
最後にたどり着く憩いの場という印象を持つことができます。
たとえば、ニートや引きこもりや私のようなフツーの主婦が「ロハス」「スローライフ」組です!と言っても、「それはどーだかね」と言われるかもしれません。

だから、『ほしいものが、ほしいわ』は名コピーなのです。
今は「欲望を抑制する文化」をもちたい欲望の時代って感じがするからです。

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