良寛さんの恋
買い物帰りに公園を散歩すると
イチョウの葉がはらはらと
綺麗に舞い散っていました。
見とれてしまいましたね。
「裏を見せ表を見せて散る紅葉」
という良寛の句を思い出しました。
彼が晩年熱烈な恋をしたことは有名ですが、
これは彼が恋人、貞心尼に託した辞世の句です。
村の子どもと一心に遊び、
高潔の「純」禅僧との評判の良寛は、
実は貞心尼という女性を愛し、
女犯を重ねた「不純」ただの凡人だったと
言いたかったのでしょうか。
裏も表もなく、全部純、全部不純な
人間など存在するわけはないですね。
100%純金の金なんて存在しないですし。
二人の恋、そして交友は
良寛の死まで続けられます。
おそらくプラトニックだったとも
言われるこの恋ですが、
この、裏も表もある姿というのが
じつは人間の性の姿と
良寛は言いたかったのかもしれないですね。
それにしても素晴らしい句です。
秋の昼下がり、
素敵な恋の物語を思い出させてくれた
イチョウの落葉にも感謝ですね。